早いもので、いつのまにか2007年も終わりを迎えました。今年も、順不同で印象に残ったものをピックアップ。
(1) Emerson, Lake & Palmer アルバムの Shout! Factory 盤
長年聴いてきている ELP ですが、今年 Shout! Factory から新たにリマスタリングされたアルバムがリリースされました。1994年リリースの Victory 盤に比べるとそんなにすごく音が変わったというわけではなかったのですが、その後リリースされた Rhino 盤に比べると丁寧にリマスタリングされていたと思います。特に「恐怖の頭脳改革」のミックスが正しいものに戻っただけでなく、興味あるボーナストラックが加えられていたのは楽しめました。
(2) David Gilmour / Remember That Night の Blu-ray
なかなかリリースされなかったビデオでしたが、待たされただけのことはある充実した演奏、映像、そしてサウンドでした。結局待ちきれなくて DVD と Blu-ray の両方を輸入盤で買ったのですが、長時間収録されていることもあり Blu-ray の音や画質の良さが印象に残りました。
(3) Queen Rock Montreal & Live Aid (Blu-ray)
これも輸入盤を Blu-ray で買いました。こちらも、Blu-ray の音や画質の良さが印象に残りました。フレディ・マーキュリーがいた頃の全盛期の頃ですし、演奏も悪いわけがありません。ライブアルバム「Live Killers」を思わせるすばらしい演奏です。
新しいアルバムの発表は無かったキング・クリムゾンですが、ドラマーのパット・マステロットがマーカス・ロイターと組んだバンド Tuner のアルバムは印象に残りました。クリムゾン・ニュースのプロモーション「[Eleven Versions of ’11-11′](http://www.krimson-news.com/podcast-listeners-guide/tuners-eleven-versions-of-11-11/)」 で知りましたが、ネットを使ったバンドやアルバムのプロモーションも一般的になりましたね。
(5)Led Zeppelin / Mothership / The Song Remains the Same
レッド・ゼッペリンも再結成ライブがありました。来年にはツアーがあるという噂もありますし、そのうちライブDVDがリリースされることを期待しています。この再結成にあわせて新たなコンピレーション盤と、映画「永遠の詩」のリマスタリングDVDがリリースされました。新たなリマスタリングが施されたコンピレーション盤は、10年くらい前にリマスタリングされたスタジオ盤と比べても音の輪郭が明確になって大きな変化があったと思います。映画の方は Blu-ray のリリースが遅れているようですが、どんな仕上がりになったか楽しみです。
(6) Sleeping People / Sleeping People / Growing
モコマキさんの You’s Blog で知った Sleeping People、今年一番新鮮だったアルバムかも知れません。来日ライブには行けなかったのですが、次のアルバムも楽しみです。
Skysong さんのブログの記事「Blonde Redhead / 23 (’07)」で知りました。エレポップ/シューゲイザー風でありながら、隠された毒があるところが何とも言えません。これも今年新鮮に感じたサウンドでした。
(8) Genesis 1976-1982 [Hybrid SACD]
ジェネシスも再結成ライブがありました。フィル・コリンズがボーカルを務めた時代のアルバムが2つのボックスセットでSACD/DVD化されて大喜び。特に、1976-1982の方は音質が大幅に向上していて感激。来年に予定されているピーター・ゲイブリエル時代のSACDボックスセットも楽しみです。
2007年1月1日のエントリーがラーゼフォンのDVDの話だったのですが、今年はアニメを見るようになった気がします。もっとも見るのはもっぱらDVDなので、テレビで見ている人とは流行がずれていそう(^^; 今年見た中で一番印象に残ったのが「コードギアス 反逆のルルーシュ」でした。毎回息詰る展開で引きつけられましたが、最後はちょっと?だったような。第二シーズンはどう展開するんでしょうね。
iPhone が日本ではなかなか出なくてやきもきさせられていますが、ずっと噂になっていた次世代タッチスクリーン iPod が iPod touch として姿を現しました。通勤のときには胸ポケットに入る iPod nano の方を使っているのですが、スクリーンを眺める余裕があるときには touch を使っています。むしろ、こちらはポッドキャストなどで入手したビデオ番組を見るのに主に使っています。日本のテレビ番組も、早くポッドキャストで放送すればいいのに。コピーワンスばかり一生懸命で、この程度のこともやらない旧弊な日本のテレビ業界はダメダメですね。
もうろくな製品も作れないダメ会社になったソニーかと思っていたのですが、このアンプの音はとても良かったと思います。特にPS3との組み合わせは相性が良さそうです。著作権搦みで不労所得をもくろんでダメになったソニーですが、まじめに製品を作れば良いものができるのですね。ソニーもレコード会社や映画会社などとは手を切って、もっと良い製品を作ってもらいたいと思います。
「2004年のアマゾン・ビンボー」ではCD輸入権のことに触れています。このCD輸入権の成立があまりに不愉快だったので、あれ以来日本盤のCDは買わないようにしていますし、日本のアーティストを聴く機会は(元々少なかったのが)さらに減ったと思います。
しかし、レコード会社は全然懲りていないですね。新たな不労所得を目指して文化庁と結託し「ダウンロード違法化」なる言論統制法案を作ろうとしています。だいたい、貴重な文化遺産である高松塚古墳を「自らの怠慢から破壊した文化庁」のような、社会保険庁と同等の劣悪省庁がまだ存在することそのものが不思議なくらいなのに、またまたこんな文化破壊法案を出してくるとは。文化庁も郵政省同様に解体すべきですね。
これに関してはネットでもいろいろな意見が出ていますが、江口靖二の「「デジタル時代に著作権は存続し得ない」という視点」は旧来の著作権団体を人力車組合に例えていて面白かったです。現行の著作権ビジネスは人力車並みに時代遅れですから、新時代の新しい仕組みを作るべきでしょう。で、今のレコード会社や文化庁にその新しい仕組みを作る能力が無いことは明らかです。
すでに、海外では DRM フリーの MP3 や AAC ファイルを販売してい
ますし、リスナーには好意的に迎えられていてビジネスとして成立し始めています。こんななか、著作権団体と文化庁の思惑だけで日本でだけ音楽文化を破壊するのは止めてもらいたいものです。「ダウンロード違法化」などという身の丈を超えたことに手を出す前に、まずCDを再販価格制度から外し「まともに商売する」とはどういうことかを学ぶべきでしょう。反省を促すためにも、来年も日本盤CDや日本国内サイトから音楽を買うのは止めておくことにします。
今年も本ブログを読んでいただいてありがとうございました。コメントや Twitter、 Jaiku で聴かせていただいた意見にも感謝いたします。皆様よいお年をお迎えください。来年こそ、音楽が素直に楽しめるまともな年になると良いですね。