2022年のオーディオ

あっという間に 2022 年最後の記事となりました。昨年まで、年末の記事は「xx年のアマゾン・ビンボー」にしていたのですけれど、最近はCDを買わなくなってAmazonの利用も減ったので、タイトルを「2022年のオーディオ」にしてみました。

今年は、Apple Music や Amazon Music で配信されているロスレス・ハイレゾ音源を、オーディオシステムを使ってスピーカーで聴こうと色々試してみました。

結局 M1 Mac mini の USB から FiiO K3 を経由して光ケーブルでオーディオアンプの DENON PMA-1700NE の DAC に接続する、いわゆる PC オーディオが最も安定して配信のハイレゾ音源を鳴らせています。

2020 Apple Mac mini Apple M1 Chip (8GB RAM, 256GB SSD)

USBケーブルで直結しても良いのですけれど、これだと PMA-1700NE の電源を切ると Mac から DAC が見えなくなるので、Mac の音声出力が内蔵スピーカーなどの他のデバイスに切り替わってしまいます。K3 は Mac の USB から電源供給されていて電源が切れることがないので、アンプの電源を入れればすぐ音が出て便利なのに気がつきました。

あと、スピーカーの B&W 705S2 は 4K テレビの両側においてあり、M1 Mac mini のモニターとして使っているのですけれど、これで配信で音楽を聴くだけでなく、YouTube や Netflix などでビデオを観る時もいい音で聴けますので、音楽番組を見るときに効果的です。また画面が大きいので、コミックなども見やすいです。

ワイヤレスでスマホや iPad からコントロールできないかと色々試してみたのですけれど、結局 Apple の AirPlay は便利ではありますけれどロッシーな AAC なので音質はイマひとつです。あと、Chromecast は 24bit/96KHz のハイレゾ転送との話だったので、Chromecast 対応の JBL 4305P を買ってみたのですけれど、実際は Chromecast audio は 16bit/44KHz の CD クオリティでしかなかったのにはがっかりさせられました。

JBL 4305P

JBL 4305P のネットワーク接続はいまいち安定しないこともあり、結局はオーディオストリーマーの Bluesound Node をアナログ接続して使っています。JBL 4305P もアナログ入力で使う方が性能が発揮できそうな気がしています。

JBL 4305P は迫力がありつつも躍動感を失わない低音域に、シャープで華やかな高音域がのっているサウンドです。どちらかというとジャズや70年代のロック向きのサウンドでしょうか。最近の音楽を聴くには、やや音の粒立ちが足りない印象を持ったりもしていますが、これはこれで楽しめる音です。

結局、日本でストリーマーに対応しているロスレス・ハイレゾ配信は Amazon Music しかありません。Amazon Music のストリーマー向けの API はかなり貧弱なようです。HEOS や KEF のアプリを見ても Amazon Music の操作 UI はどれも同じで、しかもかなり使いにくいです。でも、Tidal や Qobuz が日本に参入していない現状では、正規に使えるのは Amazon Music しかありません。

その目で見ると、Amazon Music に対応していない JBL 4305P はあまり良い選択ではなかったです。Marantz と DENON の HEOS か、KEF のシステムを選んだ方が良かったようです。KEF LSX II もまた考えてみますかね。

毎年言われているので「狼が来た」レベルの話の気もしますけれど、来年こそ Tidal や Qobuz が日本で正式に使えるようになってほしいものです。そうすれば、高級なオーディオストリーマーにも存在意義が出てくると思います。

King Crimson / In The Court Of The Crimson King - King Crimson At 50

2021年のキング・クリムゾンの解散に続き、今年はドキュメンタリー映画「King Crimson at 50」がリリースされました。ライブ音源や映像を早く聴きたかったので輸入盤の方を買いました。

輸入盤なのでドキュメンタリーには字幕はありませんが、英語はそれなりに聞き取れるので内容はわかりました。ドキュメンタリーは撮っている監督の視点で作られるものだと思います。このドキュメンタリーの感想としては、撮った監督はあまり音楽に興味がなさそうと思いました。メンバー変遷も多々あったバンドなのですけれど、人間関係に主に焦点があてられていて、そこから生み出される音楽についてはあまり語られていなかった印象です。これなら、字幕を目当てに日本盤は買わなくてもいいかなと思っています。

来年こそは、Apple Music のハイレゾを AirPlay を使ってオーディオで聴ける環境が整うように望みたいところですけれど、望み薄でしょうか。実現の可能性がありそうなものとして Tidal や Qobuz がくることを願います。あと、キング・クリムゾンの最終公演となった2021年12月8日東京のライブが出るそうなので、それが来年に実現することを期待しています。

あ、あともうひとつ、PS5 で熱中したのは、中国のゲームである原神でした。来年も、平和に原神で遊べることを願っています。

Takgenshin2022

Haken / Fauna

英国のプログレメタルバンドである Haken の新作アルバム『Haken / Fauna』、来年の3月3日リリースです。

Haken / Fauna

デラックス版はいつものようにインスト版とセットになっています。配信では「Nightingale」と「The Alphabet of Me」の2曲が先行リリースされています。24bit/48KHz のロスレス配信でいい音で聴けそう。来春が楽しみです。

イエスのMQA-CD

イエスの紙ジャケット・コレクション最終章としてリリースされた日本盤CD、よく見たら MQA-CD です。遅まきながら気がつきました。

MQA-CDならということで、ハイレゾ版を入手したもののいまいち納得がいっていなかった3枚、「究極」「トーマト」「ドラマ」の3枚入手することにしました。

イエス / 究極[紙ジャケット・コレクション最終章~MQA-CD/UHQCDエディション]

イエス / トーマト[紙ジャケット・コレクション最終章~MQA-CD/UHQCDエディション]

イエス / ドラマ[紙ジャケット・コレクション最終章~MQA-CD/UHQCDエディション]

MQA-CD ならば、ロスレスでリッピングして NAS の Soundgenic に入れれば、Bluesound Node などで MQA デコードして聴けるはず。ハイレゾには及びませんけれど、CD よりもちょっぴりいい音で楽しめそうです。Amazonには在庫があるようなので、年内に届くかな。

Keith Jarrett / サンベア・コンサートのSACD

Keith Jarrett の1976年11月の日本公演の演奏を収録した『キース・ジャレット / サンベア・コンサート』の SACD がタワーレコード限定で再発されています。

Keith Jarrett / サンベア・コンサートSACD

ニュースはちょっと前に出ていたようです。ハイブリッドSACDで6枚組、Disc 6 にはアンコールを収録しているそうです。

配信には載っていないと思い込んでいたのですけれど、改めて検索して見たらアルファベットの綴り、Sun Bear で載っていました。サンベアでは出てこないような。Amazon Music は CD クオリティですけれど、Apple Music では 24bit/96KHz のハイレゾ配信です。そして、Amazon はアンコール入り、Apple はアンコールなしです。音源が違うのでしょうか。ハイレゾ配信の Apple Music の方が音が薄いようにも感じたりします。

SACDで出ているうちに入手することにしようと思ったら、15,000円以上で1,000円引きのクーポンがきています。このSACDは14,300円なのでちょっと足りません。何か、買い足すものはあるかな。

Wilson Project / Il Viaggio Da Farsi

イタリアのプログレバンドである Wilson Project のファーストアルバム『Wilson Project / Il Viaggio Da Farsi』です。

Wilson Project / Il Viaggio Da Farsi

このバンドは Mastodon で教えてもらいました。若手のバンドだそうです。シンフォ系で叙情感もあるスケールの大きなサウンドです。

AmazonではCDは扱っていないようです。しかし、バンド名はちょっと検索しにくいですね。テニス用品がたくさんヒットしてしまいます。

あかねさす / あかねさす

日本のプログレバンドであるあかねさすのバンド名を冠したファーストアルバム『あかねさす』です。

あかねさす / あかねさす

ドラムのノリが良くてキーボード中心、そして女性ボーカルのためか、時々歌謡曲のようにも聞こえなくもないユニークなプログレサウンドです。

あかねさすというのはよく使われる単語なのか、検索だとちょっと探しにくいです。アルファベット表記の aqanesuss の方が探しやすいかもしれません。

King Crimson / Rock in Rio

キング・クリムゾンのドキュメンタリー「 In The Court Of The Crimson King – King Crimson At 50」エクステンド版の Blu-ray 2 後半に「Rock in Rio」が収録されています。これは2019年のリオのライブです。

King Crimson / In The Court Of The Crimson King - King Crimson At 50

サウンドは 24bit/96KHz の 2ch ステレオとサラウンドが収録されています。普段オーディオシステムで聴く方が音そのものはいいので音楽を聴く時には 2ch を聴くのですけれど、このライブはサラウンドも価値があります。

まず、1曲目の「Drumzilla」が始まる前から、セット背景に文字が現れると「キング・クリム・ゾン」という観客の掛け声が大きく入りますけれど、サラウンドシステムで聞くとこの掛け声が周り中から聞こえてきて会場の雰囲気が味わえます。この曲も同じタイトルではあってもドラムのアレンジも毎年変わっているようで、2018年にみたライブとはだいぶ変わっています。このドラム演奏の途中でも湧き上がる歓声がすごいです。

切れ目なく、そのまま2曲目の「Neurotica」になりますけれど、やはりギターのフレーズやサックスが登場するたびに歓声が起こります。ロイヤルパッケージで、ロバート・フリップが「日本人は椅子に座って(下を向くポーズをしながら)静かに聴いているけれど、メキシコでは(片手片足を上げるポーズをしながら)盛り上がって踊りながら聴きます。私はどちらのスタイルもリスペクトします」って言っていましたけれど、やっぱり観客のノリの良さは演奏にも影響がある気がします。

曲が終わると、拍手と共にすかさず「キング・クリム・ゾン」の掛け声。そして次の曲の「Red」が始まるとまた大きな歓声に包まれます。この頃の演奏は2017年頃にきけた派手なドラムのアレンジが控えめなものに変わっていてオリジナルの演奏っぽくなっています。その一方で、中間あたりから入るピアノは新鮮な感じ。

曲間の「キング・クリム・ゾン」の掛け声に導かれて、その次は「クリムゾン・キングの宮殿」なのですけれど、曲が始まった途端に「あ〜ああ〜」とメロディーを観客が合唱するのにまたビックリ。サビの部分になると歌詞もみんなで歌います。サラウンドで聴くと歌声に囲まれる感じがすごいです。日本では聴けそうもないライブですけれど、こんなライブも楽しそうです。

おそらくイベントのライブでセットリストは短縮版らしく、次は「Indiscipline」です。トリプルドラムの見せ場でもある、今のクリムゾンを象徴する曲のひとつです。イントロからすごい緊張感のある演奏です。

その次は「Epitaph」です。「Starless」が省略されているセットなので、叙情パートはこの曲で代表というところでしょうか。トリプル・ドラムのクリムゾンになってから、アレンジはオリジナルに忠実に寄せている感じがありますよね。そして、サビの部分になると観客の合唱が入ります。

短縮セットリストなので「Starless」は省略して最後の曲「21世紀のスキゾイドマン」ですけれど、もうイントロの部分から「お〜おおお、おっお〜」と歌が入り、歌詞の部分までどんどん観客の合唱が入ります。そして間奏の部分になるとすごい歓声に包まれます。やっぱりこのノリはすごい。この間奏部分の構成も結構変わっています。原曲のイメージを損なわずに、新しい要素を入れてくる演奏力も素晴らしい。メル・コリンズがA列車のフレーズを弾き始めると、邪魔をするかのようにロバート・フリップのギターが歪んだフレーズを入れてくるのですけれど、やっぱり邪魔しているのかな。それからドラムソロですけれど、ギャヴィン・ハリスンの上手さとパワフルさが印象的です。反応する観客のノリも良いです。そして、メインのフレーズのパートになるとまた歌い、そして歌詞にあわせて合唱。ホント凄いです。

曲の後は大歓声、そして「キング・クリム・ゾン」という観客の掛け声と共に映像も終わります。

ステレオで聴いても観客の歓声はわかりますけれど、サラウンドで聴いて歓声に包まれるとずいぶん印象が変わると思います。

Anouar Brahem / The Astounding Eyes of Rita

チュニジアのウード奏者であるアヌアル・ブラヒムが2009年にリリースしたアルバム『Anouar Brahem / The Astounding Eyes of Rita』です。

Anouar Brahem / The Astounding Eyes of Rita

Apple Music だと、昨日記事にした「Blue Maqams」よりも、こちらのアルバムの方が必聴アルバムとしてお勧めされる代表作のようです。解説によるとエレキベースが入った編成とのことで、ジャズの枠にも入らない民族音楽をベースにした新しい音楽です。

Anouar Brahem / Blue Maqams

チュニジアのウード奏者であるアヌアル・ブラヒムが2017年にリリースしたアルバム『Anouar Brahim / Blue Maqams』です。

Anouar Brahim / Blue Maqams

ジャック・ディジョネットのアルバムをブラウズしていて目にとまりました。ジャケットにあるように、デイブ・ホーランドがベース、ジャンゴ・ベーツがピアノを担当しているようです。

原神 Ver 3.x になってから舞台が中東をイメージしたスメールに移り、音楽も中東風になったのでウードの音も耳に馴染んでいます。このアルバムは、そんな中東風の曲とジャズがミックスされている感じです。

配信は 24bit/96KHz のハイレゾなのでいい音で聴けます。e-onkyo でも 24bit/96KHz のハイレゾ音源がダウンロードできますけれど、価格はちょっと高めです。

山中千尋 / Today Is Another Day

ジャズピアニストである山中千尋の新作アルバム『Today Is Another Day』、今日リリースになりました。

山中千尋 / Today Is Another Day

聴いてみると、いかにもジャズのピアノ・トリオという感じのサウンドです。JBLで鳴らすのがよく似合います。

配信は 24bit/96KHz のハイレゾ配信です。e-onkyo でも 24bit/96KHz のハイレゾ音源をダウンロード販売しています。

CDの方は通常盤だけでなく、レコーディング風景を収録した DVD がつくジャケット違いの限定版もあります。メディアを買うならこちらですね。